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目次

はじめに

バイク乗りにとって、愛車を安全に運ぶトランポの方法を知ることは時に必須となります。特にサーキット走行やツーリングで遠方に行く際、バイクを車に積み込む正しい知識は、思わぬトラブルを防ぎ、大切な愛車を守るために欠かせません。

私自身も軽トラックでKAWASAKI ZX-10Rを積み込んで岡山国際サーキットに通うライダーとして、何度もトランポの経験を重ねてきました。この記事では、バイクのトランポに関する基礎知識から実践テクニック、必要な道具まで、サーキットに通う筆者の経験を踏まえて徹底解説します。

これからトランポを始める方も、もっと安全に効率よく行いたい方も、必ずお役に立つ情報をお届けします。

【サーキット走行シリーズ】

サーキット走行までの準備編

岡山国際サーキットのライセンス取得方法

バイクを安全に車に積む方法と注意点【トランポ完全ガイド】(本記事)

サーキットで必須!オイルトレーの選び方と使い方

初心者向け:岡山国際サーキットの走り方と流れを完全解説

バイクのトランポとは:基本的な方法と知識

トランポとはトランスポーター(transporter)の略で、英語で「輸送する」「運送する」「運ぶ」という意味です。バイク業界では、車にバイクを積載して運ぶことを「トランポする」と呼んでいます。

特にレース活動をしているライダーにとっては、公道走行不可(ナンバー無し)のレース車両をサーキットへ運ぶために欠かせない作業です。また、一般のバイク乗りにとっても、様々なシーンでトランポの知識が役立つことがあります。

トランポが必要となるシーン

  • サーキット走行のためのレース車両の輸送 サーキット専用マシンや、公道走行できないレース仕様のバイクを運ぶ場合。サーキット走行を控えている方は、初心者必見!サーキット走行のための準備と持ち物完全ガイドや初心者向け:岡山国際サーキットの走り方と流れを完全解説も参考にしてください。
  • 故障や事故でバイクが走行不能になった場合の緊急輸送 トラブル時の緊急搬送手段として
  • 長距離ツーリングの際の体力温存や悪天候回避 目的地までバイクを車で運び、現地で体力を温存して走行を楽しむ場合
  • 中古バイク購入時の輸送 未登録や故障車の輸送に
  • オフロードバイクの未舗装エリアへの輸送 林道や砂浜など、特定のフィールドへバイクを運ぶ場合

バイクの積載に適した車種と方法の比較


ハイエース

一番適しているのはTOYOTA ハイエースと思われる

メリット

  • 広い積載スペース:複数台のバイク積載も可能
  • 雨風からの保護:室内にバイクを収納できるため、天候に左右されない
  • 多くの荷物を同時に運搬可能:工具やパーツ、キャンプ道具なども積載できる
  • 車中泊が可能:遠方のサーキット参戦時に便利
  • 乗車人数が多い:仲間と一緒にサーキットに行くことができる

デメリット

  • 初期コストと維持費が高い:購入費、税金、保険料が高額
  • 駐車スペースが必要:自宅や駐車場に十分なスペースが必要
  • 燃費が良くない:長距離移動でコストがかさむ
  • 盗難リスクが高い:特に人気車種のため注意が必要
  • 運転の難しさ:ハイルーフタイプは高さ制限や横風の影響を受けやすい

ノア・ヴォクシー(ミニバンタイプ)

メリット

  • 実用的なサイズ感:ハイエースほど大きくなく、普段使いしやすい
  • シートアレンジの自由度:3列目シートを格納すれば十分な積載スペース確保
  • スライドドアの利便性:狭い場所での積み下ろしも容易
  • 維持費のバランス:ハイエースより経済的で燃費も比較的良好
  • ファミリーカーとの両立:普段は家族用、休日はバイク輸送と使い分け可能

デメリット

  • 積載スペースの制限:大型バイクは斜めに積む必要がある場合も
  • 床面の高さ:ハイエースより床面が高く、ラダーレールの角度が急になりがち
  • 内装の傷つき:室内積載のため、内装保護が必要


N-VAN

ここ最近サーキットでよく見かけるなーって思うようになってきたのがHonda N-VAN

メリット

  • コンパクトながら驚きの積載能力:助手席を倒せば2635mmもの長さを確保
  • 軽自動車の経済性:税金や保険が安く、維持費が抑えられる
  • 優れた燃費:長距離移動でもコスト抑制
  • 普段使いの利便性:日常的な足としても使える
  • カスタマイズの幅広さ:内装をDIYでレイアウト可能

デメリット

  • ハイエースほどの積載量はない:複数台積載は困難
  • 大柄なバイク積載時は室内が狭くなる:長距離移動時の快適性が低下
  • 乗車人数が限られる:基本的に2人まで


軽トラ

各メーカーから出ている軽トラ!所持しているのはNT100

メリット

  • コストパフォーマンスの高さ:購入費・維持費ともに安価
  • 中古車市場での入手しやすさ:選択肢が多く予算に応じた購入が可能
  • 開放的な荷台:積み降ろしがしやすい
  • 維持費の安さ:軽自動車税の適用
  • 実用性:汚れを気にせず使える多目的性

デメリット

  • 天候の影響を受ける:雨天時はバイクが濡れる
  • 長距離移動時の快適性不足:キャビンが狭く疲れやすい
  • 乗車人数の制限:2人まで
  • 荷物スペースの制限:ツールボックスなどの設置が必要


バイク用トレーラー

メリット

  • 既存の車を活用できる:新たに車を購入する必要がない
  • 積載性能の高さ:専用設計なので安定性が高い
  • 維持費の低さ:車検や税金が不要な場合も
  • 保管の容易さ:使用しない時は別途保管可能

デメリット

  • けん引免許が必要:普通免許では不可
  • ヒッチメンバーの取り付け:車両改造が必要
  • 初期投資が必要:トレーラー本体と取り付け費用
  • 運転技術が必要:バック走行など特殊な技術が求められる


車種別積載可能バイクサイズ一覧

車種 積載可能な最大サイズ目安 複数台積載 保護 初期コスト 維持費
ハイエース 1400ccスポーツバイクも可 高い 高い
ノア・ヴォクシー(ミニバンタイプ) 1000ccクラスまで 中~高 中程度
N-VAN 1000ccスポーツバイクまで △(小型のみ) 中程度 安い
軽トラック 1000ccスポーツバイクまで 安い 安い
バイク用トレーラー サイズによる 種類による 中程度 安い

トランポに必要な道具と選び方

バイクを安全に輸送するためには、適切な道具選びが欠かせません。ここでは、必須アイテムとその選び方について解説します。


ラダーレール

ラダーレールとは、バイクを車に積み込む際に使用する傾斜路(スロープ)のことです。

車やバイクを上げ下ろしするときに使用するはしごのような役割を果たします。

ラダーレールの選び方

  • 耐荷重 バイクの重量に余裕を持った耐荷重のものを選ぶ(最低でもバイク重量+50kg以上)
  • 長さ 車種と荷台高さに合わせた適切な長さ(短すぎると急勾配になり危険)
  • タイヤ幅より5cm以上広いものが安定性が高い
  • 素材 アルミ製は軽量で扱いやすく、スチール製は頑丈だが重い
  • 収納性 保管場所に合わせたサイズ感
  • 種類 ツメ式(軽トラ向け)・ベロ式(ハイエースなど向け)がある


ハイエース・N-VAN・ノア・ヴォクシー(ミニバンタイプ) オススメ ラダーレール

キジマ(Kijima) 湾曲ラダーレール 折り畳み式 メタルフィールド

キジマ(Kijima) バイクパーツ 湾曲ラダーレール 折り畳み式 メタルフィールド 308×2100mm 最大積載量339kg ブラック Z9-22-012

特徴: 折り畳み式で収納に便利、湾曲デザインで安定性が高い、最大積載量339kgで十分な強度
注意点: 折り畳めるので車内での保管スペースが少なくて済み、使い勝手が良いです。メタルフィールド仕様で耐久性も高く、バイクの積み下ろしがスムーズに行えます

アストロプロダクツ 軽量アルミラダー 1PC (07-07372)

バイク積載用の軽量アルミラダー。高強度アルミ素材で、軽くて持ち運びやすく、バイクのトランポに最適。

特徴: 軽量で扱いやすい、十分な長さ
注意点: 安定性は低いので、アクセルを急に開けると転倒の危険あり


軽トラ オススメ ラダーレール

昭和ブリッジ アルミブリッジ GP-T型 1.5t/2本セット 300幅 ツメ

特徴: 1.5tの高耐荷重で大型車両にも対応、300mmの幅広設計で安定性が高い、ツメ付きで固定が確実
注意点: 農機具や大型バイクの積み下ろしに最適です。幅が広く安定しているので、重量物でも安心して使用できます。2本セットで左右のバランスも取りやすく、作業効率が格段に向上しました

シンセイ アルミブリッジ 180-30 0.5t 2本セット

特徴: 幅30cmと広く安定性抜群、軽トラのあおりにツメをしっかり固定できる
体験談: 「最初はアストロの1本で頑張ってましたが、乗せるのに時間がかかり転倒の恐れもあったため、こちらに変更。安定性が格段に向上しました」

ASTRO PRODUCTS 07-11188 軽量アルミラダー ショートタイプ 1PC

特徴: 二輪車等を積載車へ積み込む際に便利な、ショートタイプのアルミ製の折畳式ラダーレールです。
体験談: 「最初はアストロの1本で頑張ってましたが、乗せるのに時間がかかり転倒の恐れもある」他にも1本持ってる人向け


タイダウンベルト

バイクをしっかりと固定し、安全に輸送するための必須アイテムです。

タイダウンベルトの選び方

  • 耐荷重 バイク重量の3倍以上の耐荷重が目安
  • 種類: ラチェット式:初心者でも簡単に強く締められる
    カムバックル式:微調整が容易
    ロープ式:柔軟な固定が可能だが技術が必要
  • 長さ 車両サイズに合わせて選ぶ(短すぎると届かない、長すぎると余る)
  • 素材 アルミ製は軽量で扱いやすく、スチール製は頑丈だが重い
  • 幅広いほど強度があるが扱いにくい(25mm〜50mm程度が一般的)
  • フック形状 Sフック、カラビナタイプなど用途に合わせて

固定ポイントの選び方

適切な固定ポイント

  • ハンドル周り(転倒しにくい角度で)
  • フレームの頑丈な部分
  • リアグラブバー

避けるべき固定ポイント

  • プラスチックパーツ
  • ウインカーやミラー
  • 配線やホース類
  • シートやカウル

おすすめタイダウンベルト

デイトナ(Daytona) バイク用 タイダウンベルト サブベルトセット 2本入り ラチェット式 耐荷重300kg ベルト幅25mm

バイクメーカーなので安心

特徴: 車体の固定に適した耐荷重300kgのタイダウンベルト。
用途: トランポにサイドスタンドで積載することを想定し、長さの違うサブベルト(長さ300mmと500mm/各1本)が付属。

イーバリュー ラチェット式ベルト荷締機 ショートタイプ (ERT-25SSR 2PCS)

特徴: ラチェット式で初心者でも簡単に使える
用途: 前後の固定に

イーバリュー ラチェット式ベルト荷締機 4.5m ブラック 2本組 (ERT-25SR)

特徴: 長めのタイプで様々な車種に対応
用途: 幅広い固定ポイントに対応


上級者向け ロープ

バイク屋とかはロープで縛ることの方が多いのでは?自分も昔お世話になってた所ではロープでくくってました

補助ベルト

タイダウンベルトを掛ける際、直接バイクに触れる部分を保護するためのアイテムです。

【補助ベルトの役割】
バイク本体を傷つけない
滑りにくく安定した固定を実現
振動による摩擦ダメージを防止

おすすめ補助ベルト

デイトナ(Daytona) ハンドルサブベルト

バイクメーカー

特徴: ハンドル周りからタイダウンを行える専用のベルト
用途: フロントはこれとタイダウンがあれば最強です

デイトナ(Daytona) バイク用 タイダウンベルト 補助ベルト 長さ300mm ソフトサブベルト 2本入り ブラック

バイクメーカー

特徴: 柔らかい素材でバイクを傷つけない
用途: タイダウンベルトとの併用で安全性向上

ディーアールシー タイダウンベルトソフトフック レッド

特徴: 柔らかい素材でバイクを傷つけない
用途: タイダウンベルトとの併用で安全性向上


フロントホイールクランプ

バイクのフロントタイヤを固定し、ハンドルの動きを制限するアイテムです。トランポの安定性を大きく向上させます。

フロントホイールクランプ 役割

  • バイクの前後・左右の動きを制限
  • ハンドルが切れることによる不安定さを防止
  • ガソリンスタンドの場所確認
  • 積み降ろし時の安全性向上

ツールズアイランド バイクスタンド フロントタイヤ固定用 (TD7021)

特徴: 16〜18インチのタイヤに対応、軽量で持ち運びやすい
用途: 「軽トラでは真っすぐ積み降ろしができるようになり、安定性が格段に向上。ハンドルを切ってタイダウンする手間も省けます」

おすすめ道具リスト

※価格は変動する可能性があります。購入前に最新の価格をご確認ください。

実践的なバイクの積載方法として、軽トラックへの手順を詳しく解説します

ここでは実際に軽トラックへバイクを積載する手順を、準備から積み込み、安全確認まで詳しく解説します。


準備作業

積載スペース 確保

  • 平坦な場所を選ぶ
  • 周囲に障害物がないことを確認
  • 十分なスペースを確保(バイクの3倍以上)

必要な道具 準備

  • ラダーレール
  • タイダウンベルト(最低4本)
  • 補助ベルト
  • フロントホイールクランプ
  • 滑り止めマット(雨天時)
  • 作業用グローブ

バイク 準備

  • ガソリンは満タンにしない(85%程度)
  • ミラーは畳むか取り外す
  • バッグや脱着パーツは取り外す

積み込み手順

1.軽トラの荷台にホイールクランプを設置

荷台の前方中央部か右部にフロントタイヤが収まるようクランプを設置します。


2.軽トラの後側のあおりを開ける

後部あおりを完全に開き、ラダーレールの設置スペースを確保します。


3.矢印のついている溝にラダーレールのツメをはめる

ラダーレールのツメを軽トラのあおり部分の溝にしっかりとはめ込みます。

2本使用する場合は、バイクのタイヤ幅に合わせて平行に設置します。


4.バイクのエンジンをかけて低速で乗せる

エンジンをかけ、クラッチをゆっくり繋いで低速で乗り入れます。急加速は避け、必要に応じて補助者に手伝ってもらいます。

ポイント 安全 重要度:高

  • 一人で行う場合は特に慎重に
  • 速度は極低速で
  • ラダーレールから外れないよう注意
  • アクセルの開け方に細心の注意を

5.フロントクランプにキッチリ タイヤがはまったか確認してロックする

前輪がクランプに収まったら、ロックレバーでしっかり固定します。このときバイクが完全に垂直になっているか確認します。


6.タイダウンベルトで固定する

4点式を基本とします

固定のコツ コツ

旅の記録を担当。写真撮影や思い出づくりをサポートする役割。

  • 対角線状に均等なテンションで締める
  • ベルトが捻れないよう注意
  • 締めすぎると車体やサスペンションを傷める可能性あり
  • 締め付けが弱すぎると走行中に緩む


6.バイクを揺さぶってみる

固定後、バイクを前後左右に揺さぶり、動かないことを確認します。

バイクだけが単体で動くようなら再度固定し直します。


積載後の安全確認

  • 全ベルトの締め付け確認 緩みがないか
  • バイクの垂直確認 傾いていないか
  • 積載物のはみ出しチェック 法的制限内か
  • ラダーレールの撤去と収納 走行前に必ず取り外す
  • あおりのロック確認 しっかり閉まっているか
全ての安全確認が完了しました。
注意:安全確認は走行の度に必ず行ってください。バイクの積載状態は走行中に変化する可能性があります。

降ろし方のコツ

  • 準備:平坦な場所に停車し、エンジンを切る
  • ベルトの取り外し:逆の順番で(後ろから前へ)
  • ラダーレールの設置:乗せる時と同様に
  • エンジンをかけて自走で降ろす場合:リアブレーキを軽く効かせながらゆっくりと
    手押しで降ろす場合:必ず補助者をつけ、前からではなく後ろから支える


番外.ラダーレール2本を使う

2本のラダーレールを使うと格段に安定性が増し、積み降ろしが簡単になります。

初心者には特におすすめの方法です。

2本使用のメリット

  • 安定性が格段に向上
  • バイクを真っすぐ保ちやすい
  • 初心者でも安心して積み降ろし可能
  • 時間短縮になる

トランポ時の走行のポイント

バイクを積載した状態での走行は、通常と異なる挙動になります。安全に目的地まで到着するためのポイントを解説します。

出発前のチェックリスト

  • 全てのベルトを再確認
  • サイドミラーの調整 積載状態で後方視界を確保
  • タイヤ空気圧の確認 積載による重量増加を考慮
  • ルートの確認 極端な急坂や狭路がないか
  • 天候の確認 特に風の強い日は注意

走行中の注意点

  • 速度を控えめに 法定速度より10〜20km/h低速で
  • 急発進・急ブレーキを避ける 滑らかな運転を心がける
  • カーブは特に慎重に 遠心力でバイクが傾く可能性
  • 強風に注意 横風で車体が流される危険性
  • トンネルや橋の通過時は特に注意 風の影響を受けやすい
  • 定期的な休憩と点検 30分〜1時間おきに固定状態を確認

長距離移動のコツ

  • 事前のルート計画 駐車場やサービスエリアの確認
  • 余裕を持ったスケジュール 急がない
  • 休憩時の点検習慣 毎回固定状態を確認
  • 悪天候時の対応 必要なら走行を中断
  • 夜間走行の注意点 視認性が下がるため特に慎重に

初心者がトランポで成功するための方法と、よくあるミスの対策を紹介します

経験の浅いうちは誰でもミスをします。ここでは初心者がよくやってしまう失敗と、その対策をご紹介します。


よくある失敗例

  • 不適切な固定ポイントの選択

    失敗例:「最初のトランポでタイダウンベルトをウインカーに掛けたら、サーキット到着時に破損していた」
    対策:固定ポイントはフレームやハンドル周りなど頑丈な部分を選ぶ
  • ベルトの締め付け不足

    失敗例:「高速道路走行中にベルトが緩み、バイクが傾いてヒヤリとした」
    対策:適切なテンションで締め、定期的に確認する習慣をつける
  • 積載位置の問題

    失敗例:「バイクを荷台の後ろ寄りに積んだら、フロントが浮き気味になって危険だった」
    対策:荷台の前方にタイヤを固定し、重心を低く保つ
  • ラダーレールの設置不良

    失敗例:「1本のラダーレールで乗せようとしたら、横にずれて転倒しそうになった」
    対策:初心者は2本のラダーレールを使用する
  • 雨天時の対策不足

    失敗例:「雨の日に積み込もうとしたら、ラダーレールが滑って危険だった」
    対策:滑り止めマットの使用や、雨天用の靴を準備

  • トラブル対処法

    ラダーレールが滑る場合
    • 対策1:滑り止めマットを敷く
    • 対策2:ラダーレールとタイヤの接地面を拭き、乾かす
    • 対策3:補助者に支えてもらう
    ベルトが緩む場合
    • 対策1:適切なタイプのベルトに変更(ラチェット式がおすすめ)
    • 対策2:出発前に再度締め直す
    • 対策3:定期的な確認停車を習慣化
    バイクが傾く場合
    • 対策1:荷台の中央に位置するよう調整
    • 対策2:4点固定を厳守
    • 対策3:フロントホイールクランプの使用
    緊急時の対応
    • バイクが動いた場合:すぐに安全な場所に停車し、再固定
    • 何かが破損した場合:応急処置と代替策の検討
    • 天候悪化時:無理せず安全な場所で待機

    季節別トランポの注意点

    季節によってトランポ時に注意すべきポイントが変わります。安全に輸送するための季節別注意点を解説します。

    夏季の注意点

    • 熱対策:直射日光でシートやグリップが熱くなるため、カバーの使用を検討
    • タイヤ空気圧の変化:気温上昇による空気圧増加に注意
    • ガソリンの膨張:満タンにせず、85%程度に
    • 日焼け対策:長時間の作業では日焼け止めを
    • 雷雨の予測:夏の突発的な雷雨に備える

    冬季の注意点

    • 凍結路面での積み降ろし注意:特に朝晩は路面が滑りやすい
    • 防寒対策:作業時間が長くなりがち、十分な防寒を
    • バッテリー管理:低温でバッテリー性能が低下
    • 除雪:積雪時は荷台やラダーレールの雪を完全に除去
    • 凍結防止:ベルトやロックが凍結する可能性あり

    雨季の注意点

    • 滑り対策:ラダーレールが特に滑りやすくなる
    • 防水対策:バイクのデリケートな部分をカバー
    • 視界確保:雨天時の視界不良に備える
    • 走行速度の調整:通常よりさらに慎重に
    • 雨具の準備:作業用の防水グローブや靴

    風の強い日の注意点

    • 走行速度を下げる:横風の影響を軽減
    • 固定の強化:通常より念入りに固定
    • オープンエリアの注意:橋や高架、平野部での突風に警戒
    • 走行ルートの検討:風の影響を受けにくいルートを選択
    • 風向きの確認:追い風と向かい風で影響が異なる


    よくある質問(FAQ)

    バイクを積んだ状態でのガソリンスタンドの利用は問題ない?
    基本的には問題ありませんが、バイクのガソリンタンクの状態に注意が必要です。満タン状態だとこぼれる可能性があるため、85%程度にしておくことをおすすめします。また、給油時は静電気に注意し、可能であればバイクは接地させてください。
    高速道路の通行は可能?
    法律上は問題ありませんが、固定をより確実にし、定期的に休憩して固定状態を確認することをおすすめします。また、横風の影響を受けやすいので注意が必要です。サービスエリアでの点検を習慣にしましょう。
    レンタカーでのトランポは可能?
    レンタカー会社によって規約が異なります。バイク積載を明示的に禁止している会社もあるため、事前に確認しましょう。また、万が一の傷や汚れに備えて、内装保護シートの使用も検討してください。
    積載したバイクは車検の対象になる?
    バイクは積載物として扱われ、積載状態での車検は不要です。ただし、恒久的な改造(積載用の固定具の溶接など)を行った場合は車検に影響する可能性があります。着脱可能な装備にとどめることをおすすめします
    複数台積載する場合の注意点は?
    車両の最大積載量を必ず守り、バイク同士が接触しないよう間隔を空けてください。また、それぞれのバイクを独立して固定し、一方が動いても他方に影響しないようにしましょう。重心バランスにも十分注意が必要です。
    女性一人でもトランポは可能?
    可能です。特に2本のラダーレールを使用し、フロントホイールクランプを活用すれば安全に行えます。ただし、初めは経験者に立ち会ってもらうことをおすすめします。慣れてくれば一人でも問題なく行えるようになります。
    初めてでも安全にトランポできる?
    十分な準備と正しい知識があれば初心者でも安全に行えます。最初は人気のない広い場所で練習し、可能であれば経験者の助言を得ることをおすすめします。この記事の手順を参考に、慎重に行ってください。

    まとめ

    イクのトランポは、正しい知識と適切な道具さえあれば、決して難しいものではありません。

    このガイドで紹介した車種選びのポイント、必要な道具とその使い方、積載手順、そして季節ごとの注意点を参考に、安全なトランポを実践してください。

    特に初心者の方は、以下のポイントを必ず守りましょう:

    1. 適切な道具の準備:ラダーレールは2本、しっかりとしたタイダウンベルト、フロントホイールクランプ
    2. 慎重な積み込み:急がず、確実に
    3. 確実な固定:4点以上での固定を基本に
    4. 定期的な確認:走行中も安全な場所で固定状態を確認

    サーキット走行やツーリングの楽しさをさらに広げる手段として、トランポをぜひマスターしてください。安全なバイクライフのために、このガイドが皆さんのお役に立てば幸いです。

    サーキット走行に役立つ関連記事

    サーキット走行を始める前に必要な準備について詳しく知りたい方は「サーキット走行までの準備編」を、岡山国際サーキットで走行するために必要な「岡山国際サーキットのライセンス取得方法」も事前にご確認ください。

    実際のサーキット走行の流れについては「初心者向け:岡山国際サーキットの走り方と流れを完全解説」で詳しく解説しています。また、サーキットで必須アイテムとなるオイルトレーについては「サーキットで必須!オイルトレーの選び方と使い方」をチェックしてください。

    これらの記事を合わせて読むことで、トランポからサーキット走行までの一連の流れをスムーズに理解できるでしょう。

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    著者プロフィール: ZX10Rを愛車とし、岡山国際サーキットを中心に活動するパワークラブユーザー。軽トラでのトランポ経験多数。バイク歴15年。

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