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バイクに乗ろうとしたらエンジンがかからない…。バッテリーが完全に上がってしまった経験はありませんか?

最新のバイクは電子制御・液晶モニターなど電力を多く消費するパーツで構成されています。そのため、1ヶ月ほど乗らずに放置しただけでもバッテリーが弱ったり、完全に上がってしまうことがあります。

私の Kawasaki ZX-10R も2年目くらいから「時計が結構ずれている」と感じることがありました。そして1ヶ月ほど乗らない時期があり、久しぶりに乗ろうとしたら…完全にバッテリーが上がっていたのです。

【重要】
一度完全に上がったバッテリーは、充電しても元の状態には戻りません。

以前は充電すると13V近い電圧まで上がっていましたが、今はいくら充電しても12.3Vくらいまでしか上がらなくなりました。走行中の電圧は14Vに達しますが、それでも以前より低い状態です。

バッテリーの点検方法や対策について解説しましたが、一度上げてしまったバッテリーを完全に復活させる方法は交換以外にありません

この記事では、Kawasaki ZX-10Rを例に、バッテリー交換の手順とコツを詳しく解説します。


とりあえずエンジンをかけたい場合(押しがけ)


  • キーon
  • ギヤを3速か4速に入れる
  • クラッチを切る
  • そのままバイクを押して走る
  • ある程度速度がのったらクラッチをつなぐ
完全にバッテリーが上がっているとこの方法でも始動しない場合があります。また、現代のバイクは圧縮比も高いので成功率は低めです。自己責任でお願いします。

バッテリー交換に必要な道具

工具: 10mmレンチ

現行のZX-10Rに関してはこれ1本で作業が可能です。高品質な日本製工具で、長く使えるプロ仕様のレンチです。バッテリー端子の取り外し・取り付けに使用します。

バッテリー: YTZ10S

Kawasaki ZX-10Rに完璧に適合する高品質バッテリーです。液入り充電済みなので、購入後すぐに使用可能です。国内メーカーの高い信頼性と優れた品質をお求めの方におすすめです。

あると便利: デジタルテスター

バッテリーの電圧を正確に測定できる手頃な価格のデジタルテスターです。バイクメンテナンスには必須のアイテムで、これがあればバッテリーの状態を常に把握できます。交換前後の電圧比較にも役立ちます。

あると便利: ワイヤーブラシ

バッテリー端子の清掃に最適な3種類のワイヤーブラシセット。腐食や酸化を効果的に除去し、バッテリーの接続を安定させるのに役立ちます。清掃しておくことで接触不良を防止できます。

バッテリー交換手順

バッテリー交換の手順
1
バッテリーを取り外す前の準備
  • エンジンを停止させます。
  • 作業スペースを確保します。
2
バッテリー取り外し手順
  • バッテリーにアクセスできるようにシート+カウル類を外します。
  • アクセスできるようになったらマイナス(-)端子側を先に外します。
    10mmのスパナかメガネレンチで端子のボルトを外してください。
  • マイナス端子がバッテリーに当たっていない事を確認してからプラス(+)側を外します。
  • バッテリー固定用のバンドを外します。
  • バッテリーを外します。
3
バッテリー取付手順
  • バッテリーを置きます。
  • バッテリー固定用のバンドを取り付けます。
  • プラス端子を取り付けます。
  • マイナス端子を取り付けます。
  • シート+カウル類を取り付けます。
取外しとは逆の手順で行います。プラス端子から接続してください。
4
必要に応じて電子機器の設定をする
  • 時計などがずれている場合は再設定します。
取付・取外手順を守る:
マイナス(-)端子を先に接続し、次にプラス(+)端子を接続します。逆の順序で接続すると、ショートや火災の危険性があります。
端子の締め付け
端子を適切に締め付けることが重要です。緩んだ端子は適切な電気伝導を妨げ、バッテリーの性能に影響を与える可能性があります。
バッテリーターミナルの清掃
青い粉・白い粉がターミナルついていることがあるので熱湯をかけるか、ワイヤーブラシで磨いて清掃しておいてください
エンジンをかけた時にバッテリー電圧を確認しておく
14V以下だとレギュレーター+ジェネレーター不良を疑う

Kawasaki ZX-10Rでの実際の作業手順

1. バッテリーへのアクセス

バッテリーにアクセスできるようにシート+カウル類を外す

2.マイナス(-)端子側を先に外す

マイナス端子(黒いケーブル)のボルトを10mmのレンチで緩め、端子を外します。
端子を外したら、金属部分がバッテリーや他の部品に触れないよう注意します。

3. プラス端子の取り外し

マイナス端子が完全に離れていることを確認してから、プラス端子(赤いキャップ付き)のボルトを緩め、端子を外します。

4. 固定バンドの取り外し

バッテリーを固定しているバンドやホルダーを外します。

ZX-10Rの場合は、固定バンドがあります

5. 古いバッテリーの取り出し

固定が外れたらバッテリーを慎重に取り出します。

バッテリーは意外と重たいので注意してください。

6.新品バッテリーを置く

新しいバッテリーをバッテリーボックスに入れます。向きに注意しましょう。

7.固定バンド・端子を取り付ける

バッテリーがしっかり固定されるように、バンドを取り付けます。

まずプラス端子(赤)を接続し、ボルトをしっかり締めます。

次にマイナス端子(黒)を接続し、ボルトをしっかり締めます。

8. シートなどの復旧

すべての接続が完了したら、カウルやシートを元に戻します。

交換後の確認事項

電圧確認

テスターがあれば、エンジン停止時に12.5V以上、アイドリング時に14V前後あることを確認します。

電子機器の再設定

バッテリー交換後は、以下の設定をやり直す必要があることがあります

時計の再設定
トリップメーターのリセット
ECUの再学習(通常は自動的に行われます)

すべての電装品(ライト、ウインカー、ホーンなど)が正常に作動するか確認しましょう。

バッテリー交換の重要性とアドバイス

バッテリー交換の重要性

【始動性と安全性の確保】

バイクのバッテリーはエンジン始動に不可欠です。劣化したバッテリーでは、いざというときにエンジンがかからない危険性があります。

【電気系統の安定性】

バッテリーが劣化すると電気系統に不安定な供給が生じ、ライトやウインカーなどの機能が正常に動作しなくなる可能性があります。新しいバッテリーへの交換は、電気系統の安定性を保ち、安全な走行を実現します

【故障予防とメンテナンスコストの削減】

古いバッテリーは突然の故障を引き起こす可能性があります。定期的な交換は、予期せぬトラブルやそれに伴う高額な修理コストを削減できます。

実用的なアドバイス

【端子の清掃を忘れずに】

新しいバッテリーを取り付ける前に、端子の青白い粉(酸化物)を除去しましょう。熱湯をかけるか、ワイヤーブラシで磨くと効果的です。

【端子の締め付けは適切に】

緩すぎると接触不良、きつすぎると端子の破損の原因になります。適度な締め付けを心がけましょう。

【交換時期の目安】

購入から3年以上経過している
充電しても電圧が12.5V以上に上がらない
エンジンをかけても電圧が13.5V以上に上がらない
始動性が明らかに低下している

【専門家に相談する】

バッテリー交換でも不安がある場合は、バイクショップに相談することをお勧めします。特にレギュレーターなど他の電装系統に問題がある可能性もあります。

まとめ

バイクのバッテリー交換は、適切な工具と手順で行えば難しくありません。この記事で解説した手順に従って作業を行い、安全で快適なバイクライフを楽しんでください。

定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、バッテリートラブルを未然に防ぎ、長く愛車に乗り続けることができます。

あなたのバッテリー交換体験は?

コメント欄で、あなたのバイクのバッテリー交換体験や、この記事を読んで新たに学んだことをぜひ教えてください!

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