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目次

はじめに

スズキ ジクサー250(GIXXER250)は、初心者からベテランまで幅広いライダーに愛される人気の250ccネイキッドバイクです。しかし、どんなに優秀なバイクでも、ブレーキパッドは消耗品として定期的な交換が必要になります。

ブレーキパッドの交換は一見難しそうに思えますが、正しい知識と適切な工具があれば、初心者でも安全に作業することができます。この記事では、ジクサー250のフロントブレーキパッド交換について、必要な準備から完了まで、写真付きで詳しく解説していきます。

自分でメンテナンスを行うことで、愛車への理解が深まるだけでなく、メンテナンス費用の節約にもつながります。また、緊急時にも対応できる知識が身につくため、より安心してバイクライフを楽しむことができるでしょう。

最近ジクサー250のブレーキの効きが悪くなってきたんだよね。パッドの交換時期かな?

僕も同じ症状だった!パッドの厚みが2mm以下になったら交換時期って聞いたことがあるよ。

正解ですね!ジクサー250の場合、パッドの残量が2mm以下、または効きの悪化を感じたら交換のサインです。

自分で交換するのは難しいのかな?バイク屋に頼むといくらくらいかかるんだろう…

工賃は大体3000〜5000円程度ですが、基本的な工具があれば自分でも十分可能な作業ですよ!

僕も初めてやったときは不安だったけど、思ったより簡単だった。ただし安全第一で慎重にやることが大切だね。

よし!チャレンジしてみよう。でも必要な工具とか、手順をしっかり確認してからやらないと…

その通りです!事前準備が成功の鍵。工具の準備から作業手順まで、一緒に確認していきましょう。


ブレーキパッド交換の必要性と交換時期


なぜブレーキパッド交換が必要なのか

ブレーキパッドは、バイクの安全性に直結する最も重要な消耗品の一つです。ブレーキをかける度に摩擦によって少しずつ削れていき、最終的には交換が必要になります。

適切なタイミングでの交換を怠ると、以下のような危険な状況が発生する可能性があります

制動力の大幅な低下
パッドが薄くなると、ブレーキの効きが著しく悪くなり、停止距離が延びてしまいます。特に緊急ブレーキ時には、期待した制動力が得られずに事故につながる恐れがあります。
ブレーキディスクの損傷
パッドの摩擦材がなくなると、金属同士が直接こすれ合い、高価なブレーキディスクに深刻な損傷を与えてしまいます。ディスクの交換となると、パッド交換の数倍の費用がかかってしまいます。
異音や振動の発生
摩耗が進むと、ブレーキング時に不快な異音や振動が発生し、快適な走行が妨げられます。

交換時期の見極め方

ジクサー250のフロントブレーキパッド交換時期を見極める方法をご紹介します

視覚による確認
ブレーキキャリパーの隙間から、パッドの厚みを確認できます。新品時の厚みは約10mmですが、2mm以下になったら交換が必要です。摩耗インジケーターがある場合は、それに従って判断しましょう
制動力の変化
以前と比べてレバーを強く握らないと効かない、停止距離が延びたと感じる場合は交換のサインです。日常的な走行でこの変化に気づくことが重要です。
異音の発生
ブレーキをかけた際に「キーキー」という金属音が聞こえる場合、パッドの摩耗が限界に近づいている証拠です。この段階では速やかな交換が必要です。
走行距離による目安
一般的な街乗り中心の使用であれば、15,000〜20,000km程度が交換の目安となります。ただし、走行環境や運転スタイルによって大きく変わるため、定期的な点検が欠かせません。


必要な工具と準備するもの


工具

E-Value ETR3-25 : トルクレンチ

KTC BR3E-S(9.5mm/3/8インチ) : ラチェットレンチ

京都機械工具(KTC) ソケットセット TB410XE 差込角:12.7mm 10個組 1セット

どちらかのソケットセットがあればOK

KTC (京都機械工具) 9.5mm (3/8インチ) ディープソケット セット

どちらかのソケットセットがあればOK

フジ矢(Fujiya) マイクロラジオペンチ 細かい作業に最適な先細仕様 (バネ付)

ピンを抜く用に必要

デイトナ(Daytona) バイク用 ディスクブレーキ キャリパーピストン 脱着ツール 片押し+対向ピストン対応 内径φ16.5~37mm

ピストンを回転されたり、脱着するのに便利

デイトナ(Daytona) バイク用 ディスクブレーキ キャリパーピストン 脱着ツール 片押し+対向ピストン対応 内径φ16.5~37mm

ピストンを戻す時に使用。手で動く場合もあるので必要があればでOK

消耗品・材料

デイトナ(Daytona) バイク用 ブレーキパッド ゴールデンパッドX

キタコ(KITACO) グリスセットA シリコングリス&ブレーキバッドグリス 各1本 AZ969-001

良匠 FIRSTINFO TOOLS ブレーキキャリパー用スクレーパー ブレーキパッド用ヤスリ ブレーキキャリパークリーナー 錆落とし

どちらかでOK

髙儀(Takagi) 紙やすり #40 10枚入

どちらかでOK


作業手順

安全のため、エンジンが十分に冷えた状態で作業を開始してください

ジクサー250のフロントのブレーキパッドが無くなったのと、純正パッドの効きがいまいちだったので、デイトナのゴールデンパッドXに交換します!


キャリパー取り付けボルトの取り外し

まず、フロントキャリパーを固定している12mmのボルト2本を外します。

このボルトは比較的緩めやすいですが、しっかりと固定されているため、適切な工具を使用しましょう。


割ピンとロックピンの取り外し

続いて、パッドを固定している割ピンを外します。

長期間使用していると割ピンが変形していることがありますが、ラジペンで慎重に伸ばしてから抜くことで、スムーズに除去できます。

割ピンを抜くとロックピンが外せるようになるので、外します

ついでにプレートも外しておきます


古いパッドの取り外しと清掃

古いパッドを取り外すと、ブレーキダストによる汚れが目立ちます。

この汚れはブレーキ性能に影響するため、中性洗剤を使用してしっかりと清掃しましょう。

【重要】
取り外したパッドの残量を確認してください。今回のように限界まで摩耗していた場合、ディスクローターへのダメージがないかも併せて点検が必要です。


ピストンの押し戻し

新しいパッドは厚みがあるため、ピストンを押し戻してスペースを確保する必要があります。古いパッドを当て木として使用し、ゆっくりと均等に押し戻します

この際、薄くシリコングリスを塗布することで、ピストンの動きがスムーズになり、将来のメンテナンス性も向上します。


シムの移植と面取り作業

純正パッドに装着されているシムを新しいパッドに移植します。シムはブレーキ鳴き防止に重要な役割を果たすため、必ず取り付けてください。

また、新しいパッドの角を軽く面取りすることで、さらなるブレーキ鳴き防止効果が期待できます。やすりで軽く削る程度で十分です。


新しいパッドの組み付け

シムを取り付けたパッドは、ピストン側ではない方に装着します。この点を間違えないよう注意してください

パッドを正しい位置にセットしたら、ロックピンを通して固定し、ピンを通して固定します


キャリパーの取り付けと締め付けトルク

キャリパーを元の位置に戻し、取り付けボルトを締め付けます。

締め付けトルクは26N・mです。トルクレンチがある場合は、必ず規定値で締め付けてください。


交換後の確認作業

エンジンを始動する前に、ブレーキレバーを数回握ってパッドをディスクに押し付けます。最初はレバーがスカスカの感覚がありますが、数回操作することで正常な感触に戻ります。

ピストン周辺からブレーキフルードが漏れていないか、目視で確認してください。漏れがある場合は、すぐに使用を中止し、専門店での点検を受けてください。


試運転での確認事項

確認項目 正常な状態 異常時の対応
ブレーキの効き 適切な制動力 再度取り付け確認
異音の有無/td> 静かな作動音 パッド位置・シム確認
レバーフィール 適度な硬さ エア抜き検討
引きずりの有無 スムーズな回転 ピストン確認

デイトナ ゴールデンパッドXのインプレッション


制動力の向上

純正パッドと比較して、明らかな制動力の向上を感じます。

特に高速域からの減速時に違いが顕著に現れ、安心感が大幅に向上しました。


よくある質問とトラブル対処法

パッド交換後にキーキー音がする
シムの取り付け忘れ、またはパッドの面取り不足が原因の可能性があります。パッドを一度外して確認してください。また、慣らし運転で音が収まることもあります。
ブレーキレバーがスカスカになった
パッドとディスクの間に隙間があるため正常です。レバーを数回握ってパッドを押し付けることで解消されます。それでも改善しない場合はエアが混入している可能性があるため、エア抜きが必要です。
パッド交換の頻度はどのくらい?
使用環境にもよりますが、一般的には1.5〜2万kmが交換の目安です。ただし、山道走行が多い場合やスポーツ走行をする場合は、より頻繁な点検と交換が必要になります。
他のブレーキパッドでも同じ手順で交換できる?
基本的な手順は同じですが、パッドによってシムの有無や取り付け方法が異なる場合があります。必ず取扱説明書を確認してから作業してください。
作業中にブレーキフルードがこぼれた
ブレーキフルードは塗装を侵す性質があるため、すぐに水で洗い流してください。大量にこぼれた場合は、ブレーキフルードの補充とエア抜きが必要になる可能性があります。

作業時の安全上の注意点

重要な安全事項

作業は平坦で安定した場所で行う
エンジンが完全に冷えてから作業開始
適切な工具を使用し、無理な力を加けない
ブレーキフルードの取り扱いに注意(塗装を侵す)
作業後は必ず試運転で動作確認
不安がある場合は専門店に依頼

まとめ

今回のブレーキパッド交換作業を通じて、DIYメンテナンスの醍醐味を改めて実感することができました。最初は不安だった作業も、正しい知識と適切な準備があれば、想像以上にスムーズに進められるものです。

特にデイトナ ゴールデンパッドXに交換してからは、毎日の通勤からツーリングまで、ブレーキングに対する安心感が格段に向上しました。純正パッドとの差は歴然で、「なぜもっと早く交換しなかったのか」と感じるほどです。

もしあなたがブレーキパッド交換を検討しているなら、この記事が背中を押すきっかけになれば嬉しいです。確かに最初は不安かもしれませんが、一歩踏み出してみる価値は十分にあります。

何より、自分の手でバイクを整備することで得られる満足感と、愛車への理解の深まりは、お金では買えない貴重な体験です。ただし、少しでも不安を感じたら迷わず専門店に相談することも、賢明な判断の一つです。

安全で楽しいバイクライフのために、この記事が皆さんのお役に立てることを心から願っています。次回のメンテナンス記事もお楽しみに!

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