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前回の記事で、バイク通勤中に2回事故を経験した話を書きました。1回目は軽い追突、2回目はすり抜け中の巻き込み事故で救急搬送。
6ヶ月の通院、病院選びの失敗、弁護士特約の使い方――どれも事故ってから初めて直面したことばかりでした。
その中で、記事の最後に「保険会社を選ぶ基準について、また別の記事で書こうと思います」と書いたのを覚えている方もいるかもしれません。今回はその続編です。
事故を経験する前は、正直「保険会社なんてどこも同じでしょ」くらいに思っていました。
でも実際に2回目の事故で長期の通院を経験してみて、その考えは完全に間違っていたと気づきました。この記事では、その気づきを正直に書いておこうと思います。
なぜ「保険会社選びの基準」を書こうと思ったか
1回目の事故は治療が3回程度で終わったので、正直どの保険会社に入っていても大差はなかったと思います。
トラブルらしいトラブルもなく、保険屋さんを間に挟んで淡々と手続きが進みました。
でも2回目のように通院が長引くと、話は全く変わってきます。
保険会社の対応の質、担当者との距離感、いざという時の動きの速さ――こういった部分が、通院生活のストレスに直結することを身をもって知りました。
「事故らなければ関係ない」と思うかもしれませんが、事故は本当に一瞬で起きます。
だからこそ、事故る前に一度、自分の入っている保険会社との付き合い方を見直しておく価値はあると思います。
大前提

どれだけ気をつけても防げない事故がある
前回の記事で書いた通り、2回目の事故ではプロテクターが入っていた肩・肘・背中・胸はほぼ無傷だった一方、それ以外の部位はしっかりダメージを受けました。保険についても、実はこれとよく似た構造があります。
どれだけ防衛運転を徹底して、最強の装備を固めても、「相手の100%過失」(信号無視、センターラインオーバーなど)で突っ込まれたら、事故そのものは防げません。運次第としか言いようがない領域が、どうしても存在します。
そしてバイクの事故は、四輪車に比べて「装備でも防げない怪我」による重傷・死亡リスクが圧倒的に高い乗り物です。だからこそ、保険選びで一番大事なのは「自分が動けなくなった(あるいは死亡した)ときに、どれだけの補償があるか」だと、今回身をもって思い知りました。ここからは、バイク保険で絶対に妥協してはいけないと感じたポイントを、優先順位をつけて整理します。
一番大事なのは「人身傷害保険」の金額と範囲

四輪車の保険では「対人・対物無制限」が基本ですが、バイク保険で命運を分けるのは、自分(とタンデム者)の怪我を補償する「人身傷害保険」です。
相手がいる事故の場合、お互いの過失割合(例:相手7、自分3)が決まるまで、相手の保険金は支払われません。
示談が長引けば長引くほど、その間の治療費は宙に浮きます。
でも人身傷害保険に入っていれば、自分の過失分も含めた治療費や休業損害の実費を、示談を待たずに自分の保険会社から先に受け取れます。
保険金額は「無制限」または最低でも「5,000万円以上」を推奨します。
前回の記事で書いたような「圧迫」や「関節のねじれ」で後遺障害が残ったり、長期入院になったりした場合、数百万〜数千万円規模の医療費や、働けなくなった期間の補償(逸失利益)が必要になります。運悪く大事故に遭ったとき、最後に自分を助けてくれるのはこの補償です。
「搭乗者傷害特約」との違いには注意してください。搭乗者傷害は「骨折したら一律10万円」のように、あらかじめ決まった定額しか支払われないものです。重傷時の高額な治療費や生活補償にはまったく足りません。人身傷害保険とは別物として、必ず区別して確認する必要があります。
相手への補償は無条件で「無制限」

運悪く、自分が被害者ではなく加害者になってしまう可能性もゼロではありません。ここは迷う余地なく一択です。
- 対人賠償:無制限
- 対物賠償:無制限
バイクが店舗に飛び込んで休業補償が発生したり、高級車やガードレールを破損させたりすると、個人ではとても払いきれない、億単位の賠償請求になることがあります。保険料をケチっていい場所ではありません。
「防げない事故」の泣き寝入りを防ぐ特約

もらい事故など、自分に100%過失がない事故の場合、自分の保険会社は法律上、相手との示談交渉に介入できません。
相手が話の通じない相手だったり、無保険だったりした場合に自分を守るのが、以下の特約です。
相手との交渉や裁判を弁護士に任せるための費用を、保険会社が一定額(多くの場合、法律相談料10万円+弁護士費用300万円程度が上限)まで負担してくれます。この記事の前半で書いた通り、自分もこの特約のおかげで交渉のスピードが大きく変わりました。相手が話の通じない相手だったときの、最後の盾になる特約です。
日本の公道を走る車両のうち、任意保険(対人賠償)に加入していない割合は、自動車全体では約1割程度ですが、バイクに限ると対人賠償の加入率は5割に届かないというデータもあり、未加入の車両の方が多いのが実情です。相手がバイクの場合、無保険というケースはむしろ珍しくありません。相手が無保険で十分な賠償金を取れない場合でも、この特約があれば自分の保険から補償が出ます。バイクに乗る以上、四輪車以上に備えておく価値がある特約だと思います。
「防げない事故」の泣き寝入りを防ぐ特約
保険料の予算に合わせて調整する際の目安として、自分なりの優先順位をまとめておきます。
- 【絶対必須】対人・対物(無制限)+ 人身傷害(5,000万〜無制限)
- 【超推奨】弁護士費用特約
- 【予算に余裕があれば】車両保険(バイク自体の修理・盗難補償。バイクの車両保険は保険料が高額になりやすいため、予算を削るならここが最初の候補です)
この優先順位を決めてから、担当者との相性やダイレクト型・代理店型といった「対応の質」の話に進む、という順番で見直すのが、事故を経験した今の自分としては一番納得感があります。
「担当者との距離感」が全てを左右する
昔からの付き合いで、代理店経由の保険会社に加入していました。ただ、長年お世話になっていた担当者は事故の4年ほど前に引退していて、新しい担当者に引き継がれていました。
これが地味に響きました。
長く担当してくれていた人であれば、家族構成や過去の契約内容、こちらの性格みたいなものまである程度把握してくれていたと思います。でも引き継いだばかりの担当者だと、そこまでの関係性はまだできていません。結果として、事故後のやり取りも「事務的な対応」に近い印象を受けました。
契約している保険会社から、通院中に「大丈夫ですか?」と個別に気にかけてくれるような連絡は基本的に来ないと思っておいた方がいいです。実際に来たのは、更新日が近づいたタイミングでの事務的な連絡くらいでした。
これは別に担当者が悪い人だったという話ではなく、「関係性が浅いと、対応もそれなりになる」という、ある意味当然の話だと思います。だからこそ、保険会社そのものよりも「今の担当者と、どれくらいちゃんと話せる関係か」を定期的に確認しておくことが大事だと感じました。
ダイレクト型 vs 代理店型

保険には大きく分けて、代理店を通して契約する「代理店型」と、電話やネットで直接契約する「ダイレクト型」があります。
自分は代理店型でしたが、正直なところ、代理店を挟んでいるからといって手厚いサポートが自動的に受けられるわけではない、というのが実感です。
代理店はあくまで窓口であって、実際の事故対応は保険会社本体の担当部署とのやり取りになります。
窓口が近くにあることの安心感はありますが、それが対応スピードに直結するとは限りません。
一方でダイレクト型は、保険料が安い分、対人のサポートが手薄いイメージを持たれがちです。
ただ最近はダイレクト型でも事故対応の専門部署を持っているところが多く、むしろ電話一本で完結する分、初動が早いケースもあると聞きます。
結局のところ「代理店型だから安心」「ダイレクト型だから不安」という単純な話ではなく、いざという時に、誰が、どれくらいのスピードで動いてくれるのかを、契約前にきちんと確認しておくことが重要だと思います。パンフレットの手厚さよりも、実際の事故対応の口コミやレビューを見ておく方が、よほど参考になります。
「保険会社が全部やってくれる」は幻想だった

これは前回の記事にも書きましたが、改めて強調しておきたいポイントです。
事故の経験がない人は、おそらく「事故ったら保険会社が全部対応してくれる」と思っていると思います。自分も最初はそうでした。
でも実際は、
- 警察を呼んで事故の実況見分をする
- 相手と連絡先を交換する
- 保険会社同士でやり取りしてもらうよう、自分から働きかける
という一連の流れを、基本的に自分で把握して動かなければいけません。「黙って待っていれば進む」ということはなく、進まない時に「どこへ、どう働きかけるか」を自分で判断する場面が何度もありました。
2回目の事故では、まず自分から相手側の保険会社に直接連絡してみたものの対応が悪く、話が進みませんでした。自分の保険会社から相手方に言ってもらう形にしても、初動の遅さは変わらない。結局、弁護士を入れてようやく状況が動き出しました。
保険会社を選ぶときは「事故対応をすべて任せられるか」ではなく、「自分が動かなければいけない場面で、ちゃんと相談に乗ってくれるか」という視点で見るのが現実的だと思います。
弁護士特約は「有無」より「使いやすさ」を見る

弁護士特約がついているかどうかは、多くの人が保険選びで気にするポイントだと思います。ただ、自分の経験から言うと、それ以上に大事なのは「弁護士特約をどう使うか」の部分です。
自分は保険会社が提携している弁護士をそのまま紹介してもらう形で使いましたが、正直これは失敗でした。紹介された弁護士は頼りない印象で、費用だけはしっかりかかりました。弁護士は自分で調べて選んだ方がよかったと今は思っています。
ここで学んだのは、弁護士特約を検討する際にチェックすべきなのは「特約がついているかどうか」だけでなく、
- 提携弁護士をそのまま使う仕組みなのか、自分で選んだ弁護士にも使えるのか
- 特約の利用範囲は契約者本人だけか、家族まで含まれるのか
- 利用時の手続きはどれくらいシンプルか
といった点です。ちなみに弁護士特約は、契約者本人だけでなく家族も使えることが多い特約です。「自分は弁護士特約をつけていないから使えない」と思っている人も、親や配偶者の保険についている特約を使える場合があるので、確認しておく価値があります。
弁護士自体の対応がイマイチだったとしても、弁護士を挟んだこと自体で交渉のスピードは明らかに変わりました。それまで自分で保険会社と直接やり取りしていた時のイライラが嘘のように、弁護士が間に入ってからは治療費の交渉も打ち切り後のやり取りも格段に進めやすくなりました。「頼れる弁護士かどうか」と「弁護士を入れることの効果」は、また別の話だと実感しました。
対応スピードをどう見極めるか

通院が長引いた際、最も大きなストレスになったのが「対応の遅さ」でした。
痛みが残っていて通院を続けたいと思っていても、ある日突然、相手方の保険会社から弁護士経由で「打ち切りです」と連絡が来る。それ以降は実費での通院になり、慰謝料の話し合いはさらに半年ほど続きました。
正直、契約前にこの「対応スピード」を見極めるのは簡単ではありません。ただ、以下のような点は事前にある程度確認できると思います。
- 事故対応の専用窓口が24時間対応かどうか
- 口コミサイトやSNSで「対応が遅い」という声がどれくらいあるか
- 担当者が変わった際、引き継ぎがどう行われるか説明を受けられるか
完璧に見極めることは難しくても、「何も調べずに契約する」のと「多少なりとも事故対応の評判を調べてから契約する」のとでは、いざという時の心構えが全く違うと思います。
更新前にチェックしておきたいポイント

最後に、今回の経験を踏まえて、保険を更新するタイミングで確認しておくべきだと感じたポイントをまとめておきます。
- 今の担当者と、事故のことを相談できる関係性ができているか
- 弁護士特約は、提携弁護士以外も選べる仕組みになっているか
- 弁護士特約は家族の分も含めて確認したか
- 事故対応の窓口の対応スピードについて、口コミなどで下調べをしたか
- 転院や通院ルールについて、事前に説明を受けたことがあるか
どれも、事故が起きてから初めて気づくことばかりです。だからこそ、事故る前の今のうちに、一度自分の保険内容を見直してみることをおすすめします。
「比較のしようがない」問題
ここまで色々書いてきましたが、正直「じゃあ具体的にどうやって今の保険を見直せばいいの?」というのが一番のハードルだと思います。
自分もそうでしたが、1社ずつ見積もりを取り直すのは正直かなり面倒です。電話をかけて、同じ内容を何度も説明して、書類が届くのを待って……というのを保険会社の数だけ繰り返すのは、通院で消耗している中だと余計にしんどい作業でした。
そこで今回自分が使ってみたのが、一括見積もりサービスの「保険の窓口インズウェブ」です。SBIホールディングス傘下が運営しているサービスで、アクサ損害保険、チューリッヒ、三井ダイレクト、損保ジャパンなど複数の保険会社をまとめて比較できます。1回の情報入力で各社に見積もりを依頼できるので、担当者との相性や対応スピードを比較検討する最初の一歩としてはかなり楽でした。
(補足:インズウェブは自動車保険の一括見積もりが主力のイメージがあるかもしれませんが、バイク・原付専用の一括見積もりサービスも別途用意されています。バイクの盗難保険・盗難補償についても見積もり対象になっているので、車両保険では盗難がカバーされないケースが多いバイクにとっては、この点もあわせてチェックしておく価値があります。バイク通勤・通学がメインの方は、こちらのバイク保険専用ページをチェックするのがおすすめです)
この記事で書いてきた「担当者との距離感」「弁護士特約の使いやすさ」「対応スピード」といったポイントは、一括見積もりの結果だけでは分からない部分も正直あります。ただ、そもそも比較対象がなければ「今の保険が自分に合っているのか」を判断すること自体ができません。まずは一度、今の保険料や補償内容を他社と横並びで見てみる。そこから、担当者に直接質問したり、口コミを調べたりして絞り込んでいく、という流れが現実的だと思います。
保険の見直しは、事故ってから後悔するより先にやっておいた方が絶対にいいです。気になった方は下記からチェックしてみてください。
あなたに最適のバイク保険見つかります!!◇保険の窓口インズウェブ◇まとめ:バイク保険は「人身傷害保険」と「弁護士特約」で決まる
今回の記事では、2回の事故を経験して感じた「保険会社選びの本当の基準」について書きました。
改めて振り返ると、伝えたいことは大きく2つに集約されます。
1つ目は、バイク事故は装備でどれだけ備えても「防げない怪我」のリスクが四輪車より圧倒的に高いということです。だからこそ保険選びでは、担当者の対応や保険料の安さより先に、「人身傷害保険」の金額と「対人・対物無制限」を絶対条件として確保することが最優先だと痛感しました。ここを妥協すると、いざという時に自分や家族を守れません。
2つ目は、「保険会社が全部やってくれる」という前提を捨てることです。事故対応は、警察への連絡、相手との連絡先交換、保険会社への働きかけまで、基本的に自分が主体的に動かなければ進みません。弁護士特約は、その”自分で動く”負担を大きく減らしてくれる心強い武器になります。特に相手が無保険だったり、話が通じない相手だったりした場合の”最後の盾”として、弁護士費用特約と無保険車事故傷害特約は必ずチェックしておくべきです。
正直、どの保険会社が絶対に良い、という単純な答えはないと思います。ただ、事故対応において「保険会社が全部やってくれる」という前提を捨てて、「自分がどれだけ主体的に動けるか、そのための相談相手として担当者や弁護士特約をどう活用できるか」という視点で見直してみると、いざという時の安心感は大きく変わると思います。
バイク通勤は気持ちいいし便利です。でも事故は本当に一瞬で起きます。
今回の記事が、誰かの保険選びの参考に少しでもなれば嬉しいです。
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