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沖島とは?世界的にも珍しい湖上の有人島

琵琶湖に浮かぶ沖島は、日本で唯一、淡水湖に浮かぶ有人島として知られています。世界的に見ても、淡水湖の島に人が定住している例は非常に珍しく、学術的にも注目されています。島の歴史は古く、万葉集にもその名が登場するほど。現在も約250〜300人の島民が主に漁業を生業とし、昔ながらの生活を営んでいます。


沖島の基本情報

所在地 滋賀県近江八幡市沖島町
面積 約1.53平方キロメートル
周囲 約6.8キロメートル(琵琶湖最大の島)
人口 約250~300人(主に漁業に従事)
特徴 自動車の乗り入れがない(島内は徒歩か三輪自転車での移動)
琵琶湖の漁獲量の約半分を占める漁師の島
昭和レトロな雰囲気の街並み
長命寺山や鈴鹿山系、比良山系の美しい眺望


アクセス方法

沖島観光客用駐車場

近江八幡市堀切港近くに観光客用駐車場があります。堀切港の駐車場は島民専用のため、必ず観光客用の駐車場を利用しましょう。

  • 料金: 1日300円
  • 場所: 「山甚水産」の手前、右側にある有料駐車場
  • 注意点: 堀切港周辺は警察の取り締まりがあるため、指定場所以外には駐車しないでください

公共交通機関を利用する場合:

  • JR琵琶湖線「近江八幡駅」から「休暇村行き」バスで約30分、「堀切港」下車
  • 近江鉄道バスまたはあかこんバスが利用可能

沖島への渡船

堀切港から「おきしま通船」に乗って約10分で沖島に到着します。

  • 料金: 片道500円
  • 運行本数: 1日12便(日曜日は10便)
  • 船の特徴: 定員50名、バリアフリー、トイレ・エアコン完備
  • 所要時間: 約10分
  • 注意点: 時刻表は事前に確認することをおすすめします


沖島のベストシーズン

沖島のツーリングベストシーズンは春(3月下旬〜5月中旬)です。特に4月上旬の桜の時期には、島内の桜並木が美しく咲き誇り、「桜まつり」も開催されます。また、春は気候も穏やかで、歩いて島内を散策するのに最適な季節となっています。

二番目のおすすめは秋(9月下旬〜11月中旬)で、島内の紅葉や琵琶湖越しに見る比良山系の山々の景色が素晴らしいです。夏は暑さで散策が大変なこともありますが、湖からの風が心地よく感じられます。


季節別おすすめポイント

冬(12月〜2月): 静かな島の風景、時々雪化粧した沖島の姿

春(3月下旬〜5月中旬): 桜、新緑、穏やかな気候、「桜まつり」開催

夏(6月〜8月): 湖からの風、夏の島の生活体験

秋(9月下旬〜11月中旬): 紅葉、澄んだ空気、比良山系の眺望


観光レポート


沖島は昔、猫島と呼ばれていた!?

以前の沖島は「猫島」とも呼ばれるほど猫が多く生息していました。観光客の間でも猫と戯れられる島として人気を集めていました。実際に私が訪れた時は、猫の姿をほとんど見かけず、「猫島」の名の由来となった光景を楽しむことができませんでした。


猫が減少した理由

報道によると、2021年頃に複数の女性が子猫を島外に持ち出したという目撃情報があります。それ以降、島内の猫の数が激減したとされています。島民の方も「あんた、また猫取りにきたんやろ」と声をかけたほどだったようです。猫の数が少なくなっていることは、私自身も訪問時に実感しました。


おすすめ観光スポット


奥津嶋神社

奥津嶋神社は沖島の古い歴史を感じられる重要なスポットです。和銅五年(708年)に藤原不比等が勅命を奉じて創立したと伝えられています。

  • 所要時間: 約15〜20分
  • 見どころ:
    • 島の街並みを見渡せる高台からの眺望
    • 「憲政の神様」と呼ばれる尾崎行雄による鳥居の社標
    • 島に人が住むようになる前の神の島としての歴史が感じられる

昔ながらの民家が並ぶ町並み

沖島の集落には細い路地と昔ながらの民家が軒を連ねています。自動車の入らない静かな島では、昭和レトロな雰囲気が色濃く残っています。

  • 所要時間: 散策に約30〜40分
  • 見どころ:
    • 三輪自転車(サドル部分に雨よけの「ガンガン」と呼ばれる缶が被さっている)
    • 漁具や網を干している風景
    • 細い路地と昔ながらの家並み
【散策時の注意点】
島は観光地ではなく生活の場です。静かに散策しましょう
民家の敷地には入らないでください
島民の方の写真を勝手に撮らないでください

おきしま展望台

旧沖島小学校跡地に整備された展望台からは、琵琶湖と近江八幡市方面を一望できます。

  • 所要時間: 約15分
  • 見どころ:
    • 琵琶湖を一望できる絶景
    • 眼下に広がる集落の家並み
    • ベンチに座って琵琶湖を眺めながらのんびりできる空間

沖島漁業会館

沖島漁港のすぐそばにある漁業会館では、島の情報収集や地元の味を楽しむことができます。

  • 所要時間: 約20〜30分(食事をする場合)
  • 見どころ:
    • 島内の案内マップやパンフレットの入手
    • 「湖島婦貴の会」による湖魚の佃煮や「よそものコロッケ」などの販売
    • 休憩スペースでの食事

ケンケン山

島の中央に位置するケンケン山は、整備された登山道でハイキングを楽しめるスポットです。

  • 所要時間: 往復約40分
  • 見どころ:
    • 山頂のお花見広場からの眺望
    • ホオジロ広場からの琵琶湖の景色
    • 島の反対側(堀切港側とは反対)の眺め

西福寺

浄土真宗本願寺派のお寺で、島を開拓した源氏の落武者の末裔が建立したとされています。

  • 所要時間: 約15分
  • 見どころ:
    • 文明年間に琵琶湖の嵐を逃れた蓮如上人の真筆「虎斑の名号」と「正信偈」
    • 島の歴史を感じられる寺院建築


沖島のグルメ情報


湖島婦貴(ことぶき)の会

沖島漁業会館内にある、漁師の奥さんたちが運営する店です。

  • おすすめメニュー:
    • 湖魚の佃煮(小鮎、ゴリなど)
    • 鮒ずし
    • 島の味を詰め合わせたお土産品


汀の精(みずのせい)

細い路地の奥にある古民家を利用したカフェです。

  • おすすめメニュー:
    • ビワマスのお造り
    • 湖魚のランチメニュー
    • 手作りの品の販売


よそものコロッケ

「よそもの」(外来魚)のブラックバスを使ったコロッケで、島ならではの味が楽しめます。

  • 特徴:
    • 琵琶湖で捕れたブラックバスを新鮮なうちに調理
    • 臭みがなく淡白な白身の味わい
    • 琵琶湖の生態系問題を考えるきっかけにもなる一品

まとめ

沖島は時間がゆっくりと流れる特別な場所です。琵琶湖に浮かぶ唯一の有人島として、その独特の雰囲気と景観は訪れる人々の心に深く残ります。島民の方々はのんびりとした雰囲気で生活されており、まさに「古き良き日本」を感じられる場所です。

車での移動ができないため夏の暑い日は大変かもしれませんが、春や秋の穏やかな季節には絶好のツーリングスポットとなるでしょう。琵琶湖周辺のツーリングコースに組み込めば、素晴らしい一日を過ごせることは間違いありません。

ぜひ一度、琵琶湖に浮かぶ時間が止まったような島「沖島」を訪れてみてください。きっと新しい発見と癒しの時間が待っています。


旅の基本情報

立ち寄り時間 島内散策に約2〜3時間
営業時間 散策自由(飲食店は各店舗による)
料金 通船片道500円、駐車料300円
アクセス JR近江八幡駅からバスで30分、堀切港から船で10分
公式サイト 沖島町離島振興推進協議会


動画レポート

沖島の美しい風景と魅力をまとめた動画をぜひご覧ください。

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