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はじめに:バイクのカウルにキズが…修理の難しさとは

バイクを所有している方なら、一度は経験したことがあるかもしれない「うっかりキズ問題」。特にカウルなどの外装部品は目立つ場所だけに、ちょっとしたキズでも気になってしまいますよね。

今回は、マフラー交換作業中に誤ってカウルにキズをつけてしまった体験と、市販のリペアペンでの修復を試みた結果をご紹介します。同じような悩みを抱えているライダーの方々の参考になれば幸いです。

カウルのキズは見た目の問題だけでなく、放置するとサビの原因にもなりかねません。早めの対処が大切なのですが、自分でリペアする場合は慎重さも必要です。今回の失敗談から学べることは多いはずです。


ライダー同士の会話

お前、最近のバイク調子どうよ?新しいマフラー付けたんだよね?

うん、音も良くなって最高なんだけど…マフラー交換中にやらかしちゃってさ。カウルにキズつけちゃった…

マジか!それはキツいな。ディーラーに持ってく?

いや、リペアペン買ってきて自分で直そうと思ってる。前に車でもやったことあるし。

カウルのリペアは車のボディとは少し違うぞ。塗装の密着性も異なるし、筆タイプの方が良い場合が多いんだ。

えっ、そうなの?デイトナのペンタイプ買っちゃったんだけど…

キズの深さによるね。浅いなら問題ないかもしれないが、下地まで達してるならもう少し本格的な処置が必要かも。

カウルって樹脂だから、下処理も重要らしいよ。ちゃんと脱脂とかしないと塗料が定着しないって聞いたことある。

なるほど…単純にペンで塗るだけじゃダメなのか。失敗したらまた報告するよ…


キズリペアのために用意したもの

回のリペア作業のために購入したのは、バイク用のタッチアップペンです。私が選んだのはこちら

このタッチアップペンはカワサキのメタリックスパークブラック(K43E)専用のもので、適合車種リストに私のバイクも含まれていました。これなら問題ないだろうと購入を決めました。


リペア作業の実践と課題

ペンからのインク出しに苦戦

まず最初に、リペアペンの使い方を確認します。説明書によると、使用前にペン先を押して塗料を出す必要があるようです。

ところが、これが思ったより大変でした。

ペン先を押しても、なかなか塗料が出てきません。「もっと早く出てきてほしい!」と思いながら、約5分ほどポチポチと押し続けてようやく塗料が出てきました。この時点で少し不安になりましたが、作業を続行することに。

色合いの確認は重要ポイント

バイクに直接塗る前に、まずは紙に出して色を確認しました。これは非常に重要なステップです。

車体の色と比較してみると、色合いはほぼ問題なしと判断。若干の違いはあるものの、キズを目立たなくするという目的なら十分だと思いました。


塗装と磨き作業の実施

慎重にキズ部分に塗装

キズの部分に慎重に塗料を塗っていきます。ペン先が細いので、狭い範囲に塗るには便利です。

塗装後、乾燥時間を取りました。説明書によると、完全乾燥までは24時間程度かかるとのことですが、表面乾燥は30分程度で完了します。


中間での経過確認と会話

塗ってみたけど、なんか表面に凹凸が残ってるんだよね…これってどうすればいいの?

それは塗料の盛り上がりだね。完全に乾いたら、超極細のコンパウンドで優しく磨くといいよ。でも強く磨きすぎると色まで落ちるから注意が必要だ。

俺、前にピカールで磨いたことあるけど、けっこう良かったぞ。でも本当に軽く磨かないと一発でアウトになるから気をつけて。

そうなんだ。じゃあピカール使ってみるよ。一応細かいサンドペーパーとかも用意しておいた方がいい?

キズが深いなら、サンドペーパーで段階的に磨いてから塗料を盛るのが正解だったかもね。今からだと、乾燥後にもう一度塗り直すかプロに頼むかだな。

なるほど…やっぱり素人修理の限界があるのか。とりあえず磨いてみて、ダメならプロに相談してみるよ。

コンパウンドでの仕上げ作業

塗装面に微妙に凹凸が残っていたので、コンパウンドで軽く磨くことにしました。使用したのは「ピカール」という万能コンパウンドです。

万能コンパウンド!ピカールの出番です(笑)

しかし、磨いた結果、キズの溝の中まで色が浸透していないことが判明。せっかく塗った塗料が一部剥がれてしまい、振り出しに戻る形になってしまいました。

リペア失敗の原因分析

今回のリペア作業がうまくいかなかった主な理由は以下のようなものだと考えられます:

  1. キズの深さに対して適切な下処理をしなかった
    • 深いキズの場合、サンドペーパーで段階的に磨き、表面を整える必要がある
    • プラスチック用のプライマー(下地剤)を使用していない
  2. ペンタイプでは塗料が溝に十分浸透しない
    • 筆タイプの方が溝の奥まで塗料を行き渡らせることができる
  3. 乾燥が不十分な状態で磨いた可能性
    • 完全乾燥には24時間以上かかることもある

今後の対策と正しいリペア方法

筆タイプのタッチアップペイントを検討

前に所有していた86(トヨタ86)の時は筆タイプのタッチアップペイントを使用し、比較的良い結果が得られました。バイクのカウルにも同様に筆タイプの方が適しているかもしれません。

プロのリペアサービスも選択肢に

キズの状態によっては、プロによるリペアサービスを利用するのも一つの選択肢です。特に以下のような状況では専門家に任せた方が良いでしょう:

  • 深いキズでプラスチックの素地が見えている
  • 広範囲にわたるキズや複数のキズがある
  • 外観の美しさを特に重視する場合

自分でリペアする場合の正しい手順

次回チャレンジする際には、以下の手順で行うことをおすすめします:

  1. キズの状態を正確に把握する
    • 深さと広さを確認し、適切な修復方法を選択
  2. 必要な道具をすべて揃える
    • 脱脂剤(イソプロピルアルコールなど)
    • サンドペーパー(#800、#1000、#2000など段階的に)
    • プラスチック用プライマー(必要に応じて)
    • タッチアップペイント(筆タイプが望ましい)
    • コンパウンド(仕上げ用)
  3. 丁寧な下準備を行う
    • 修復箇所をしっかり脱脂する
    • 必要に応じてサンドペーパーで段階的に磨く
    • プライマーを塗布する(プラスチックの場合)
  4. 複数回に分けて薄く塗る
    • 一度に厚く塗らず、乾燥を挟みながら数回に分ける
    • 各層の間に軽く研磨する
  5. 十分な乾燥時間を取る
    • 最低24時間、できれば48時間以上
  6. 最終仕上げは慎重に
    • 超極細のコンパウンドで優しく磨く
    • 必要に応じてワックスで保護する


まとめ:バイクカウルのキズリペアで学んだこと

今回の経験から、バイクのカウルリペアは思っていたより難しいものだと実感しました。特に以下のポイントが重要です:

  • 適切な工具と材料の選択:キズの状態に合わせた道具選びが成功の鍵
  • 丁寧な下準備:脱脂や下地処理が仕上がりを大きく左右する
  • プロの技術を侮らない:自己流では限界がある場合もある

バイクは愛着のある相棒。キズの修復は見た目だけでなく、愛車を長く乗り続けるためにも大切です。今回の失敗を教訓に、次回はより良い修復ができるよう準備を進めていきたいと思います。

最後に、同じような状況で悩んでいる方へ。小さなキズなら自分で修復も可能ですが、大切な愛車のことだからこそ、状況によってはプロに相談することも検討してみてください。

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