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今回は、KAWASAKI Ninja ZX-10R 2021年モデルにアクラポビッチ(AKRAPOVIC)のEvolution lineカーボンフルエキゾーストを取り付ける方法を、実際の作業経験をもとに詳しく解説します。さらに、現役メカニックとZX-10Rオーナーによる座談会形式の実践的なアドバイスもご紹介します。


目次

はじめに – なぜアクラポビッチを選ぶのか

ZX-10R 2021年モデルのオーナーの皆さん、マフラー交換を検討されていますか?アクラポビッチのEvolution lineカーボンフルエキゾーストは、性能向上と軽量化を同時に実現できる最高の選択肢の一つです

アクラポビッチEvolution lineの特徴

  • 大幅な軽量化: 純正比で約6.5kg以上の軽量化
  • パワーアップ: 中高回転域での出力向上
  • サウンド: レーシーでありながら上品な排気音
  • 高品質素材: チタンパイプとカーボンサイレンサーの組み合わせ

【ライダー座談会】アクラポビッチの実力は?

ZX-10Rのフルエキ交換を考えてるんだけど、アクラポビッチって実際どうなの?値段が高いから迷ってるんだよね。

俺は去年付けたけど、まじでおすすめ!特に重量が全然違うから、コーナリングの際の挙動が格段に良くなったよ。それに音も最高だし。

アクラポビッチの特徴は品質と信頼性です。確かに高額ですが、性能向上、耐久性、そして見た目のカッコ良さを考えると、長い目で見れば価値のある投資になります。特にZX-10Rの場合、純正より6.5kg以上軽量化されるので、バイクのキャラクターが変わりますよ。ただし、この製品はレース向けで一般公道使用不可なので、サーキット走行やクローズドコースでの使用が前提となります。


商品詳細とスペック

AKRAPOVIC Evolution line carbon 基本情報

適合車種:NINJA ZX-10R/RR 2021
タイプ:フルエキゾースト
色[カラー]:カーボン/チタン
STD重量[キログラム]:11.6kg
重量[キログラム]:5.1kg
STD音量:93.8 dB / 6750 rpm
音量:105.5 dB / 6750 rpm
加工の必要性: 無し
JMCA認証: × (一般公道使用不可)

重要注意事項: この製品はJMCA認証を取得しておらず、一般公道での使用は法律で禁止されています。サーキット走行やクローズドコースでの使用に限定されますので、ご購入前に十分ご注意ください。


必要な工具と部品のリスト


購入が必要な部品

アクラポビッチ(AKRAPOVIC) マフラー エボリューションライン カーボン NINJA ZX-10R/RR S-K10E10-RC

特徴: このフルエキゾーストシステムは、チタン製エキゾーストパイプとカーボンエンドを組み合わせた最高峰のマフラーです。サーキット走行やクローズドコースでの使用向けの製品です。

カワサキ純正 ガスケット エキゾーストパイプ 11061-1387

特徴: ガスケットは再使用禁止部品です。必ず新品を使用してください。排気漏れ防止に重要な部品です。

購入が必要な工具

トネ(TONE) テンションスプリングフック HPTSH-165

特徴: スプリングは非常に強力なため、この専用工具が必須です。通常のプライヤーでは作業が困難です。

ワコーズ THC スレッドコンパウンド V170

特徴: ボルトやナットの焼き付き防止、エキゾーストパイプの接続部に使用します。高温部分には必須のケミカルです。

京都機械工具(KTC)9.5sq.[66点組]自動車整備 工具セット マラカイトグリーン(限定色) SK36624XMLGR《2024SK》

特徴: 工具セット

京都機械工具(KTC) フレックス ラチェットハンドル 9.5mm (3/8インチ) BR3F-H

特徴: エキゾーストパイプ取付けの際に首振りが必須

【ライダー座談会】必要工具について

スプリングフック買わないといけないのか…。他の工具で代用できない?

スプリングフックは絶対に必要です。アクラポビッチのスプリングはかなり硬く、通常のペンチでは対応できません。試した方の多くが諦めて結局購入しています。この工具を買っておけば他のカスタムでも使えますよ。

俺も最初は通常のペンチで挑戦したけど全然ダメだった。スプリングフックは他のバイクのマフラー交換にも使えるから、持っておいて損はないよ。あと、ガスケットも必ず新品を使うこと!


作業前の準備と注意点

1. 作業環境の確保

  • 平坦で安定した場所を選択
  • 十分な作業スペースを確保
  • 換気の良い場所で作業

2. 安全対策

  • エンジンが完全に冷えていることを確認(最低2時間以上)
  • バッテリーのマイナス端子を外す
  • サイドスタンドまたはメンテナンススタンドを使用

3. 作業時間の目安

  • 初めての方:5-6時間
  • 経験者:3-4時間

4. 法的注意事項

  • この製品は一般公道での使用は法律で禁止されています
  • サーキットやクローズドコースでの使用に限定されます
  • 公道走行用としての取り付けは違法行為となりますのでご注意ください

純正マフラーの取り外し手順

ステップ1:カウルの取り外し

  1. アンダーカウルの固定ボルトを外す(左右各2本)
  2. サイドカウル下部の固定クリップを外す
  3. 慎重にカウルを取り外す

ステップ2:エキゾーストバルブワイヤーの取り外し

重要ポイント:これが最も注意が必要な作業です。

  1. エキゾーストバルブモーターカバーを外す
  2. ワイヤーの固定ボルトを緩める(完全に外さない)
  3. ワイヤーにテンションがかからない位置で固定
  4. ワイヤーを慎重に取り外す

【ライダー座談会】エキゾーストバルブワイヤー取り外しの裏技とJMCAについて

エキゾーストバルブのワイヤー取り外しがうまくいかないんだけど、コツとかある?あと、JMCAがないって聞いたけど、本当に公道走れないの?

エキゾーストバルブワイヤーの取り外しは確かにトリッキーです。重要なのは、ワイヤーを引っ張らないこと。まずモーター側の固定ボルトを緩め、ワイヤーがたるんだ状態で作業します。エキゾースト側のワイヤーエンドがカプラーになっているので、そこをスライドさせて外します。急がず、力任せにならないことがコツですよ。そして、はい、この製品はJMCA認証を取得していないため、法律上一般公道での使用はできません。サーキット専用となります。公道で使用すると、騒音規制違反や不正改造として摘発される可能性があります。

あと、写真撮影しながら作業するのもおすすめ。特にワイヤーの通し方や固定位置。元に戻す時にすごく役立つから。JMCAについては、サーキット走行やイベント専用として使う人が多いよ。公道用だとまた別のラインナップがあるはず。

ステップ3:純正マフラーの取り外し

  1. サイレンサー固定ボルトを外す(2本)
  2. エキゾーストパイプのフランジナットを緩める(均等に少しずつ)
  3. O2センサーのコネクターを外す
  4. マフラー全体を慎重に取り外す

アクラポビッチの取り付け手順

ステップ1:部品の確認と準備

  1. 全ての部品が揃っていることを確認
  2. 新品ガスケットを準備
  3. スレッドコンパウンドを接続部に薄く塗布

ステップ2:エキゾーストパイプの取り付け

  1. 新品ガスケットをシリンダーヘッドに装着
  2. エキゾーストパイプを仮組み
  3. フランジナットを均等に少しずつ締める
  4. 規定トルクで本締め(トルク値:25Nm)

ステップ3:サイレンサーの取り付け

  1. サイレンサーをエキゾーストパイプに接続
  2. スプリングフックを使用してスプリングを取り付け
  3. サイレンサー固定ステーを取り付け
  4. 全てのボルトを規定トルクで締める

ステップ4:O2センサーの接続

  1. O2センサーを新しいエキゾーストパイプに取り付け
  2. コネクターを確実に接続
  3. 配線が熱源から離れていることを確認

【ライダー座談会】スプリング取り付けのコツとトルク管理の重要性

スプリングの取り付けが想像以上にキツかった…。最初の1つは20分くらいかかったよ。

スプリングの取り付けは確かに力が必要です。コツとしては、まずスプリングの片方をしっかり固定し、スプリングフックを使って少しずつ引っ張りながら反対側に掛けていきます。最初は難しく感じますが、慣れると早くできるようになりますよ。また、スレッドコンパウンドの使用も忘れないでください。将来のメンテナンス時に焼き付きを防ぐ重要なポイントです。

トルク管理って本当に必要?感覚で締めちゃダメ?あと、音量105.5dBってかなりうるさい?

トルク管理は非常に重要です。特にエキゾーストフランジのナットは適切なトルクで締めないと、走行中に緩んだり、逆に締めすぎて部品を痛める可能性があります。感覚での締め付けは経験者でも難しいので、トルクレンチの使用を強くお勧めします。この作業をきちんと行うことで、将来のトラブルを防ぐことができますよ。そして音量については、105.5dBはかなり大きい音です。一般的な公道用マフラーの基準(94dB前後)をはるかに超えています。サーキットでは問題ありませんが、住宅街や一般道では明らかに迷惑レベルの音量です。これが一般公道使用不可の理由の一つです。

【トルク管理について】
理想はトルクで管理することですが、ラジエーターを取付けた状態だとトルク締めは不可能に近いです

取り付け後の確認ポイント

1. 漏れチェック

  • エンジンを始動し、排気漏れがないか確認
  • 特にフランジ部分とスリップジョイント部分を重点的にチェック

2. クリアランス確認

  • サスペンションのストローク時に干渉がないか
  • ステップやスイングアームとの距離が適切か
  • バンク角への影響がないか

3. 試走チェック

  • 低速で短距離を走行(クローズドコース内で)
  • 異音や振動がないか確認
  • 各部の緩みを再確認

よくある質問と対処法

純正ECUのままで問題ないですか?
はい、アクラポビッチEvolution lineは純正ECUで使用可能です。ただし、より最適なパフォーマンスを求める場合は、ECUリマッピングをお勧めします。特にサーキット走行を主目的とする場合は、専用マップの導入で性能を最大限に引き出せます。
公道で使用できる同等品はありますか?
アクラポビッチにはJMCA認証を取得したStreet Legal lineシリーズがあります。公道で合法的に使用したい場合は、そちらを選択することをお勧めします。
音量はどの程度ですか?
105.5dB/6750rpmと、純正の93.8dBから大幅に音量が上がります。サーキットでの使用には問題ありませんが、一般公道での使用は騒音規制に違反します。
取り付け後のメンテナンスは?
定期的なボルトの増し締め確認と、スプリングの状態チェックを行ってください。また、排気漏れの兆候がないか定期的に確認することをお勧めします。

【ライダー座談会】エンジン警告灯のトラブルシューティング

取り付け後、エンジン警告灯がついたんだけど、どうしたらいい?

警告灯の点灯は主にO2センサー関連の可能性が高いです。まず、O2センサーのコネクターが確実に接続されているか確認してください。また、O2センサーが正しい位置に取り付けられているかも重要です。それでも点灯する場合は、O2センサーキャンセラーの使用や、ECUリマッピングの検討が必要になるかもしれません。サーキット専用のセッティングであれば、O2センサー自体を取り外してしまうという選択肢もあります。

俺も最初あったけど、10km走行したら消えたよ。ECUが新しい排気システムに適応するまで少し時間がかかる場合もあるから、しばらく様子見てみるのもいいかも。


まとめと性能向上の実感

アクラポビッチEvolution lineカーボンの取り付けにより、以下のような変化を実感できます:

  1. 大幅な軽量化: 純正11.6kgから5.1kgへ、6.5kgの軽量化を実現
  2. 加速性能の向上: 特に6,000rpm以上での伸びが顕著
  3. ハンドリングの改善: 軽量化による運動性能の向上
  4. サウンドの変化: 迫力あるレーシーなサウンド(105.5dB)
  5. 見た目の向上: カーボンエンド&チタンパイプの高級感

取り付け作業は慎重に行う必要がありますが、DIYでも十分可能です。ただし、不安な方はプロショップへの依頼をお勧めします。

このマフラーはサーキット専用(一般公道使用不可)であることを十分に理解した上で、適切に使用しましょう。公道での使用は違法となり、騒音規制違反や不正改造として摘発される可能性があることにご注意ください。

この記事が皆さんのZX-10Rカスタムの参考になれば幸いです。質問やご意見がありましたら、コメント欄でお知らせください。

youtubeにて交換説明


【メカニックからの一言】

最後に一言。アクラポビッチEvolution lineの取り付けは、サーキット走行でのパフォーマンスと楽しさを大きく向上させる価値ある投資です。作業は少し大変かもしれませんが、完成したときの満足感は格別です。何より自分で取り付けた愛着も加わり、より一層愛車への思い入れが深まるでしょう。ぜひチャレンジしてみてください!公道での使用を考えている方は、JMCA認証取得済みの製品を選ぶことをお忘れなく。


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